本記事では、パートナーシップ広告の概要から具体的な設定方法、そして導入時に押さえておきたい注意点までを詳しく解説します。初めて利用する方でも安心して始められる内容です。
1_パートナーシップ広告の概要
パートナーシップ広告とは、広告主(企業)がパートナー(インフルエンサーやクリエイターなど)と連携して、パートナーの名義で出稿できる広告です。
対象となる投稿は、タイアップ投稿や共同投稿など、一般的には、パートナーが自身のコンテンツとして投稿する投稿で、パートナーシップ広告では、それらを広告として配信することが可能となります。
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2_パートナーシップ広告の利用シーン・メリット
広告色を抑えた広告クリエイティブとして配信する
パートナーシップ広告は、一般的にクリエイターやインフルエンサーの投稿をそのまま広告として利用するため、ユーザーにとって自然で信頼感のあるコンテンツとして受け入れてもらうことが期待できます。
企業側としても、ユーザーに対して訴求力の高いコンテンツを制作することができる人気のクリエイターやインフルエンサーのコンテンツを自社の広告として配信できる点は、パートナーシップ広告を活用する大きなメリットです。
ステマ対策
タイアップ投稿ラベルを使用することで、透明性を高め、ステマ防止をすることができます。
インフルエンサーマーケティングとの相乗効果あり
「インフルエンサーマーケティング」は、ブランドの製品やサービスをインフルエンサーにPRしてもらうことで、認知拡大を狙う手法です。
Instagram上でインフルエンサーマーケティングを行う際には、「タイアップ投稿タグ」をつけます。それだけでは、インフルエンサーのフォロワーに情報がリーチすることになりますが、パートナーシップ広告を活用すれば、様々なユーザーに情報が配信されるため、PR情報の拡散力をさらに高めることができます。
ブランドへの好意度が上がるというデータも
パートナーシップ広告を全体の36%に拡大して配信した結果、パートナーシップ広告とブランド広告の両方に接触した人々は好意度リフトが高くなり、相乗効果が確認されたと公式でも発表されており、企業として活用のメリットがあります。
3_設定までのフロー
3-1.【広告主・パートナー対応】はじめる前に(アカウントの利用要件を満たす)
- InstagramアカウントとFacebookアカウントをリンクする
※広告主様がパートナーシップ広告を出稿するには、Facebookページが必要です。
※クリエイターがFacebookアカウントをお持ちでない場合、広告はInstagramの配置にのみ表示されます。
※クリエイターがInstagramアカウントをお持ちでない場合は、パートナーシップ広告を出稿することはできますが、広告はFacebookの配置にのみ表示されます。 - Instagramプロフィールをプロアカウントとして設定する
- アカウントが上記①②の利用要件を満たしていることを確認する
※パートナーシップ広告を出稿するには、アカウントがInstagramとFacebook両方の利用要件を満たす必要があります。
※パートナーシップ広告を出稿するうえで利用基準を満たす必要があるのは、広告マネージャで選択されているメインのアイデンティティ(一般的に広告主)のみです。
3-2.事前準備(パートナーシップ広告のアクセス許可の管理)
パートナーシップ広告を配信するためには、まず広告主がパートナーからアクセス許可を得る必要があります。アクセス許可を得る方法は以下の2つです。
【広告主主導】アカウントレベルのアクセス許可
広告主は、Meta Business Suiteでパートナーにアカウントレベルのパートナーシップ広告のアクセス許可をリクエストできます。アカウントレベルのアクセス許可があれば、パートナーのハンドルからどのようなコンテンツをパートナーシップ広告として出稿するかを広告主が最大限にコントロールできます。
- 既存の投稿を使用せずにパートナーのハンドルから広告を作成する。
- 広告主をタグ付けしている、パートナーによる既存の任意の投稿から広告を作成する。
※広告主は、Facebookの場合はタイアップ投稿ラベルで、Instagramの場合はタイアップ投稿ラベル、@メンション、利用者のタグ、商品タグ、コラボでタグ付けされている必要があります。 - パートナーシップ広告キャンペーンでパートナーのカスタムオーディエンスを追加または除外する。
- ブランドコンテンツ投稿を作成する際、タイアップ投稿ラベルで広告主をタグ付けする。
【パートナー主導】投稿レベルのアクセス許可
パートナーは投稿レベルのアクセス許可を通じて、個別の投稿をパートナーシップ広告として宣伝する権限を広告主に付与できます。パートナーが広告主に投稿レベルのアクセス許可を付与する方法は以下の2つです。
- 投稿設定でアクセス許可をオンに切り替える
- もしくは、Instagramパートナーシップ広告コードを共有
- [ブランドパートナーによる宣伝を許可]切り替えボタンがオンになっており、自身がタイアップ投稿ラベルでタグ付けされている場合に、FacebookまたはInstagramにおけるパートナーの既存のブランドコンテンツ投稿から広告を作成する。
- パートナーがInstagramパートナーシップ広告コードを共有した場合に、(投稿がブランドコンテンツかどうか、あるいは広告主がタグ付けされているかどうかにかかわらず)任意のInstagram投稿から広告を作成する。
- 自身のハンドルから広告主がパートナーシップ広告として宣伝できる投稿を選択する。
自社に適したアクセス許可の見極め
- Meta Business Suiteを通じたアクセス許可のリクエストを自ら行いたい広告主。
- 継続的な関係を築いている広告主およびパートナー。
- 既存のオーガニック投稿を使用するかどうかにかかわらず、パートナーシップ広告を出稿したい広告主。
- InstagramまたはFacebookアプリにおける広告のアクセス許可の付与をパートナーに実施してもらいたい広告主。
- 投稿ごとにアクセス許可を管理したい広告主およびパートナー。
- 広告主がタグ付けまたはメンションされているかどうかにかかわらず、既存のあらゆるInstagramオーガニック投稿をパートナーシップ広告として宣伝したい広告主。
※広告主様が宣伝できるパートナーコンテンツのタイプ
広告主が宣伝できるパートナーコンテンツのタイプは、アクセス許可で決まります。以下を参考にしながら、広告配信したい内容に応じたアクセス許可を見極めましょう。
アカウントレベルのアクセス許可
▼【広告主が対応】アカウントレベルのアクセス許可の取得を開始する
- Meta Business Suiteにログイン。
- [設定] > [広告パートナー]の順に選択し、広告パートナーのタブに移動し、[パートナーシップを追加]をクリック。
- パートナーのユーザーネームを検索し、そのアカウントを選択。
- パートナーシップを確立したいFacebookページやInstagramアカウントを選択。
- パートナーシップを確立したいパートナーおよびビジネスを確認し、[リクエストを送信]をクリック。
- パートナーへのリクエストが送信される
▼【パートナーが対応】アカウントレベルのアクセス許可をアプリ内で承認する
- 広告主から受信したリクエストを承認するため、Instagramアプリのプロフィールトップの「三」> クリエイターの場合は [クリエイターツールとコントロール]、ビジネスの場合は[ビジネスツールと管理]から、[パートナーシップ広告] > [広告パートナー] の順に選択
- 承認待ちのリクエストをタップ。
- [承認する]をタップし、広告主からのリクエストを承認する。
投稿レベルのアクセス許可
投稿レベルのアクセス許可を共有する方法は以下の2通りです。
- 投稿レベルの設定(InstagramとFacebookで利用可能)
[ブランドパートナーによる宣伝を許可]切り替えボタンをオンにし、パートナーシップ広告としてブランドコンテンツを宣伝する権限を広告パートナー(広告主)に付与します。 - パートナーシップ広告コードの共有(Instagramでのみ利用可能)
パートナーシップ広告コードを共有し、パートナーシップ広告として任意のコンテンツを宣伝する権限を広告パートナー(広告主)に付与します。
▼【パートナーが対応】投稿レベルの設定で投稿レベルのアクセス許可を共有する(メディア作成時)
投稿レベルの設定で、投稿レベルのアクセス許可を共有する手順を開始する前に、ブランドコンテンツのアクセス許可が確立されていることを確認してください。
※【パートナー(クリエイター)が対応】ブランドコンテンツのアクセス許可を確立する(ブランドパートナーにタイアップ投稿ラベルの承認をリクエスト)
-
- Instagramアプリのプロフィールトップの「三」> [クリエイターツールとコントロール] > [ブランドコンテンツ] > [ブランドパートナーに承認をリクエスト] をタップ。
- 検索窓からリクエストを送るブランドパートナーを検索
- [リクエスト]をタップし、ブランドパートナーにリクエストを送る
※【広告主が対応】ブランドコンテンツのアクセス許可を確立する(ブランドコンテンツ内でブランドをタグ付けするためのアクセス許可をパートナー(クリエイター)に付与する)
- Instagramアプリのプロフィールトップの「三」> [ビジネスツールと管理] > [ブランドコンテンツ]をタップ。
- 自分のビジネスをタグ付けしてもらうためのアクセス許可をパートナー(クリエイター)に付与するために、[コンテンツクリエイターを手動で承認]をオンする。
- パートナー(クリエイター)によるビジネスのタグ付けを有効にするには、[コンテンツクリエイターを承認]をタップ。
- [受け取ったリクエスト]にパートナー(クリエイター)からのリクエストが届いていることを確認できたら、[承認]をタップし、パートナー(クリエイター)からのリクエストを承認する。
これで、パートナー(クリエイター)が投稿に、広告主とのタイアップ投稿ラベルをつけることができるようになります。
▼【パートナーが対応】投稿レベルの設定で投稿レベルのアクセス許可を共有する(メディア作成時)
- 投稿*を作成画面から、[パートナーシップのラベルと広告]をタップ。
*フィード投稿とリール投稿の場合。ストーリーズの場合は、ストーリーズ上部にある利用者のタグのアイコンをタップします。 - [タイアップ投稿ラベルを追加]をタップ。
- タイアップ投稿ラベルを追加したいブランドパートナーの[追加]をタップ。
- [ブランドパートナーによる宣伝を許可]をオンにする。
これでパートナーシップ広告としてブランドコンテンツを宣伝する権限を、広告パートナー(広告主)に付与できました。
▼【パートナーが対応】投稿レベルの設定で投稿レベルのアクセス許可を共有する(メディア作成後)
- 投稿*の右上にある3つのドットから[編集]をタップ。
*フィード投稿とリール投稿の場合。ストーリーズの場合は、右下にある3つのドットをタップします。
- [タイアップ投稿ラベルを追加]をタップ。
- [タイアップ投稿ラベルを追加]をオンにし、[ブランドパートナーを追加]をタップ。
- タイアップ投稿ラベルを追加したいブランドパートナーの[追加]をタップ。
- [ブランドパートナーによる宣伝を許可]をオンにする。
これでパートナーシップ広告としてブランドコンテンツを宣伝する権限を、広告パートナー(広告主)に付与できました。
▼【パートナーが対応】パートナーシップ広告コードで投稿レベルのアクセス許可を共有する
- Instagramアプリで、パートナーシップ広告に変換したい既存の投稿に移動し、投稿*の右上にある3つのドットをタップ。
*フィード投稿とリール投稿の場合。ストーリーズの場合は、右下にある3つのドットをタップします。
- [編集]をタップ。
- [パートナーシップ広告コードを取得]をオンにする。
取得したコードは[コピー]または[シェア]から、広告主となるブランドと共有する。
また、その投稿がブランドコンテンツなら、[タイアップ投稿ラベルを追加]切り
替えボタンをオンにする。
3-3.パートナーシップ広告の作成
キャンペーンの作成
- 広告マネージャからキャンペーンを作成。キャンペーン階層、広告セット階層まで作成する。
- 広告階層の[パートナーシップ広告]をオンにする。
▼既存の投稿を宣伝する場合
- [広告に表示する名前]の編集をクリック。
- [識別情報を選択]の1番目、2番目に表示させるページとアカウントを入力し、完了をクリック。
※クリエイターが投稿した既存の投稿を宣伝する場合、1番目はクリエイター、2番目は広告主となります。 - [広告設定]セクションのドロップダウンメニューから、[既存の投稿を使用]を選択。
- [クリエイティブ]セクションで[投稿を選択]をクリック。
- パートナーコンテンツのタブに移動して投稿を選択。
- 遷移先のURL等、広告配信にあたって必要な情報を入力して、パートナーシップ広告を公開する。
▼パートナーシップ広告用に新しいクリエイティブをアップロードする場合
- [広告に表示する名前]の編集をクリック。
- [識別情報を選択]の1番目、2番目に表示させるページとアカウントを入力し、完了をクリック。
- [広告設定]セクションのドロップダウンメニューをクリックし、[広告を作成]を選択。
- [フォーマット]で、クリエイティブで使用する広告フォーマットを選択。
- [クリエイティブ]セクションの[クリエイティブを設定]から、クリエイティブのタイプを選択。
- 遷移先URLやテキストなど、項目に沿って広告設定を行う。
- 設定した内容が表示されるため、内容を確認して公開する。
▼パートナーシップ広告コードを使用する場合
- パートナーからのパートナーシップ広告コードをお持ちの場合は、[広告コードまたは投稿情報を入力]をクリック。
- 広告コードを入力し、2番目に表示する自社のページ・アカウント情報を入力する。
- 遷移先URLとコールトゥアクションを設定し、公開する。
3-4.注意点(キャンペーンとクリエイティブのガイドライン)
パートナーシップ広告を活用できる配置、目的、機能
※パートナーシップ広告は、クリエイターがプロフィール/アカウントをお持ちのアプリにのみ配信されます。例えば、広告セットで配置の最適化を利用しているものの、クリエイターがInstagramプロフィールしかお持ちでない場合、広告は選択されたFacebook配置には配信されません。
パートナーシップ広告のメディアタイプ
※2021年10月15日より前に公開されたリール動画は、パートナーシップ広告の対象外です。
Instagramストーリーズのインタラクティブな要素*
* 注: 現時点では、著作権で保護された音楽、GIF、インタラクティブスタンプ、フェイスフィルター/カメラフィルター、エフェクトを使用しているリール動画を宣伝することはできません。
4_まとめ
Instagramのパートナーシップ広告は、クリエイターやインフルエンサーとの連携を通じて、ブランドの信頼性を高めながらターゲット層に効果的にアプローチできる強力なツールです。
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