本記事ではLINE広告における設定時の注意事項や、運用時の成果改善方法についてご紹介していきます。
今後LINE広告を運用していきたいと考えている方、期待通りの広告成果が得られていない方へ向けた内容となっていますので、ぜひ最後までご覧いただき、参考にしてみてください。
①LINE広告とは?
月間9,200万人(2022年6月末時点)のユーザーが利用する「LINE」に広告が配信でき、広告の内容や目的に合わせ、豊富な配信設定があることで、費用対効果の高い配信が期待できるものとなっています。
▽LINE広告に関する基本的な機能や解説についてはこちら
②設定時の注意事項とは?
スケジュールに余裕を持って進行する
まずはじめに、LINE広告を出稿するにあたって、2種類の審査が必要となります。
1つが「広告アカウント」の審査、もう1つが「広告」の審査です。
前者の審査に5営業日程度、後者の審査にも同様に5営業日程度かかります。(広告アカウント承認前に広告を作成した場合、広告アカウントが承認されてから換算)
なお、2023年1月に広告審査体制の強化が行われたため、一部の広告においては入稿から配信まで、最短で5分と大幅に短縮されました。ただし、入稿内容によっては当初通り5営業日かかるため、余裕を持った進行をおすすめします。
広告アカウント審査に通過するために
広告アカウントの審査において、審査が通らない要因は複数存在します。
1つ目が広告主の名称に不備がある場合です。広告主情報に記載の必要がある項目は、「広告主正式名」となります。会社形態を含めて正しい内容を入力する必要があります。
NG.) シェアコト/株式会社Sharecoto/シェアコト株式会社
2つ目に、広告主とウェブサイトの関連性です。「広告主ウェブサイトのURL」を入力する箇所には、以下の条件を満たしたURLを記載しましょう。
- 存在するURL
- 広告主に関連するページ
- ページ内で広告主の情報が確認できる
また、広告主の詳細情報について、誤りなく記載ができているか、というポイントも審査において重要となります。商材情報の箇所においては、「広告アカウントカテゴリー」と「LINE公式アカウントのベーシックID/プレミアムID」、それぞれに注意すべきポイントがあります。
「広告アカウントカテゴリ」では、広告で使用する商材のカテゴリと一致するものを選びましょう。(※アップデートが行われ、業種でのカテゴリ選択が出来るようになったため、同一カテゴリであれば複数商材の出稿が可能となりました。)
▽カテゴリ選択画面
「LINE公式アカウントのベーシックID/プレミアムID」では、以下の条件を満たしている必要があります。
- 利用中のアカウント
- 正しい文字列のIDか
- アカウント表示名が広告アカウントの内容と関連がある
- プロフィール画像が広告アカウントの内容と関連がある
広告にNG表現が含まれていないか
広告アカウントが問題なく作成出来たら、次はいよいよ出稿する広告に関する内容です。
まずは、出稿したい内容が入稿規定に即したものであるかを確認しましょう。
(入稿規定に関して:https://www.linebiz.com/jp/manual/line-ads/policy_009/)
上記の入稿規定に即していればOK…とはいかないのがLINE広告です。
以下①〜⑤に注意して、クリエイティブやテキストを作成しましょう。
- 各種法規を遵守した内容
薬機法や景品表示法等に則っているか、確認をしましょう。③の内容とも関連しますが、優良誤認表示や有利誤認表示が含まれる表現は使用が出来ません。 - ユーザーが不快と感じる表現の排除
グロテスクなものや暴力的表現、過度な肌の露出、性的表現だけでなく、不潔さを感じる内容や煽りのある表現に関しても禁止されています。出稿前には、内容に問題が無いか他者の目も含めて、確認をするようにしましょう。 - ユーザーに誤解を与えない表現の使用
①の内容に加え、「緊急」や「速報」「注意」などのワードを含み、強調されている表現に関しては使用できません。また、クリエイティブ内の表現で、操作(タップ)可能なように見えるデザインについても使用が出来ません。 - 金銭の授受を過度にイメージさせる表現の排除
「絶対稼げる」など、広告を見たユーザーが射幸心や投機心を煽られる内容は使用が出来ません。 - LINE株式会社のガイドラインを遵守した内容
これまで記載した内容に加え、LINEサービスに関連した内容であるとユーザーが誤認する内容は使用することが出来ません。
また、LINE上における「友だち」の意味で本ワードを使用する場合、表記を誤っていると広告出稿ができないため、注意しましょう。(「友達」「お友だち」などの表現は不可)
ガイドライン:https://www.linebiz.com/jp/service/line-ads/guideline/
③運用時の成果改善方法とは?
ここまでは、出稿するにあたっての注意事項を記載しました。ここからは、出稿された/される広告の成果改善に必要な要素や内容についてご紹介していきます。
配信効果に影響する要素
まずはじめに、配信効果に影響する要素として、「クリエイティブ」「ターゲティング」「入札」の3つがあると言われています。では、どのようなことを意識/変更すれば成果改善に繋がるのでしょうか。順にご説明します。
クリエイティブ改善
まずは、クリエイティブについて重要な点は、『印象に残るビジュアルであるか』です。スマートフォンでの視認性を意識して、文字がある場合小さすぎないか、一目で何を伝えたい広告かわかるか、という部分が重要です。
また、配信面が多様にあるため、複数のフォーマットでクリエイティブを制作することが成果の最大化に繋がります。少なくとも、「1080×1080pixel」と「600×400pixel」のフォーマットに関しては作成することをおすすめします。
クリエイティブの改善ができたら、併せてタイトルも検討しましょう。
基本的な考え方はクリエイティブと同様で、『印象に残るテキストであるか』が重要です。
伝えたい情報を簡潔に伝えられているか、興味を惹く内容になっているか、確認しましょう。また、以下広告例のように、配信面によってディスクリプションが表示されないため、タイトルには訴求内容を優先して入れ込むことを推奨します。(①クリエイティブ/②タイトル/③ディスクリプション)
▽広告例(MEN’S TBC様/配信面:LINE NEWS)
▽広告例(MEN’S TBC様/配信面:LINEホーム画面)
MEN’S TBC様の例としては、期日・価格のところを訴求軸としており、ヒゲ脱毛を考えている男性が興味を惹くようなクリエイティブ・タイトルとして、明確に表現がされています。
また、以下RENOSY様の広告例としては、「手取りごっそり減ってるの知ってる?」というキャッチーなワードをクリエイティブ・タイトルに入れ込んでおり、つい詳細を見たくなってしまうような設計になっています。
▽広告例(RENOSY様/配信面:LINE NEWS)
ターゲティング改善
次に、ターゲティング設定部分での改善方法です。LINE広告では主に3つの配信機能が存在します。
それぞれの特徴を簡単にご紹介しますので、検討されている配信方法が広告の目的に応じた適切な配信であるかをご確認いただければと思います。
- 「オーディエンスセグメント配信」
年齢や属性、地域などにより、ターゲティングを行うことが可能です。セグメントは複数の種類や区分があるため、細かく設定することが出来る点がメリットであると言えます。届けたい層に向けて、効率よく広告配信を行うことが出来ます。
一方で、ターゲットを絞りすぎてしまうと、配信対象ユーザー数自体が限られてしまうため、期待通りの成果が得られないことにも繋がってしまいます。最初から絞りすぎるのではなく、配信の成果を検証していく中で調整をしていくことを推奨します。 - 「オーディエンス配信」
ユーザー行動に基づいたオーディエンスを作成、配信ができる機能となります。アプリ内でのデータや、商品購買・サイト遷移履歴などを設定ができるため、高いコンバージョン率を獲得できる可能性がある配信設定となります。
こちらの配信方法についても、配信母数が限られる点は考慮する必要があるため、他配信方法と併用して設定すると良いでしょう。
※サイト内のデータを使用する場合、サイトに「LINE Tag」を設置する必要があります。 - 「類似配信」
基となるオーディエンスに類似したユーザーに対して広告配信ができる機能です。本配信は自動・手動で設定を選ぶことができ、手動の場合は、類似オーディエンスのサイズを1%~15%で選択ができます。こちらのパーセンテージについては、『オーディエンスに類似したユーザーの上位●%に配信する』という設定になるため、数字が少ないほど、より類似しているユーザーに広告を届けることが出来ると言えます。他配信同様、ターゲティングを絞ることで、配信母数は少なくなります。
以上のように、それぞれの配信設定単体では届けることの出来ないターゲットに対しても、配信機能の併用を行うことで、届けることが出来るようになります。また、配信を併用する場合は、ターゲティングを絞るのではなく、広げるために活用するようにしましょう。ターゲットがどこにあるのか、どのような目的で広告を配信したいのかを改めて考えることで、より適切な配信設定を行えるでしょう。
入札改善
自動入札と手動入札の2種類が存在しますが、「自動入札」が推奨されています。
LINE広告は、オークション形式で広告配信が行われる仕様です。自動入札の場合は、機械学習によりオークションにおいて最適な入札額で進行されるようになります。
また、機械学習は1つの広告グループに40コンバージョンが貯まると学習安定化がされると言われているため、複数のグループで広告配信を行う場合、「1つのグループで月に40コンバージョンの獲得」ができるように調整することが推奨されています。
④まとめ
今回は、広告設定における注意事項や、広告配信内容の改善点についてご紹介しました。
設定~配信までハードルや注意点は多数ありますが、今回の記事の内容を参考にしていただきながら、広告運用を実施いただければと思います。
広告運用にあたり、社内のリソースが足りない、上手く改善できない、等のお悩みがありましたらぜひ弊社までお声がけください。
弊社では、通常の運用支援から、キャンペーン支援まで幅広く行っております。